青汁で宿便が解消される?青汁と宿便の関係について

そもそも宿便ってどんなもの?

腸に溜まっている古い便

宿便は、別名「滞留便」とも呼ばれます。この宿便は通常の便とは違い、身体の外に排泄されず腸の中に長期間留まっています。腸はとても長い内臓で小腸はおよそ6m、大腸で1.5m程の長さがあります。腸の内部にはそこを通過する食べ物から栄養分を摂取するための細かなひだに覆われています。

口から摂取した食べ物は、胃を通り小腸へとやってきて栄養分を吸収されます。そして、小腸だけでは吸収されなかった水分などが大腸でさらに吸収され、最後は便となって身体の外へと排出されます。しかし、この腸の働きが上手くいかず、便秘になったりすると腸の中で便が長い間溜まってしまいます。

便秘ではなく毎日お通じがある場合でも、腸の中にあるひだに食べ物のカスなどの老廃物がひっかかり溜まってしまいます。そして、この老廃物はなかなか排泄されずどんどん溜まっていってしまい、やがて宿便となります。

腸の中の宿便の量には個人差がありますが、お通じが毎日ある人でも2〜3kg程度はあるといわれています。また、お通じがあまりない便秘気味の人の場合は、更に多い5〜6kg程度ともいわれます。

宿便があると引き起こされる症状とは?

宿便は腸壁にこびりついて排出されない老廃物です。そのため、身体に不要なものなのでいつまでも腸内に溜まっていると、免疫力の低下や頭痛、食欲不振、落ち込みやすくなるなどの不調を引き起こすほか、肌荒れや口臭、体臭など、他の人から見ても分かる嬉しくない変化があらわれるようになります。

また、宿便を放置して腸の中に充分なスペースが無くなっていくと、大腸の外側に憩室(けいしつ)と呼ばれる袋が出来てしまいます。この憩室に便が入り込んで溜まっていくとやがては炎症を引き起こし、大腸がんを引き起こす可能性があるのです。

宿便が溜まりやすいのはどんな人?

胃腸の働きが弱い人は宿便も溜まりやすくなるといわれています。胃腸の働きが弱いと摂取した食べ物を胃で充分に消化する事ができません。充分に消化されずに腸まで運ばれてしまうと、腸での消化や吸収、そして排便が充分に行なえず、腸の中に留まって宿便となってしまうのです。

宿便はどんな形状をしているの?

普通の便とは違う宿便

宿便は通常の便とは違う形と色をしています。そのため、宿便が排泄されるとすぐ気がつく人多いようです。

まるでドロのような宿便

宿便にはまるで真っ黒なコールタールのような形状のものがあります。べったりと張り付くような質感で、かなりドブくさい匂いをしています。この形状の宿便は、腸内に長い間留まっていたため、悪玉菌が増えて腐敗が進んでしまったタイプになります。

持ち上げられる宿便

ドロ状の宿便とは違い腸の形をそのまま排出したような、うねうねとした形状の宿便もあります。この形状の場合、持ち上げても形が崩れない場合が多く、長さには個人差があります。このタイプの宿便は、濃い茶色から黄土色程度の色の場合が多くあります。

緑色の宿便

宿便の中には、緑色っぽい色のタイプもあります。宿便には、食べ物のカスだけでなく、腸内細菌の死骸も含まれています。急性腸炎や食中毒など、なんらかの理由で体調不良になり腸が炎症を起こすと胆汁が酸化してしまいます。その結果、腸内細菌の死骸が緑色となるのです。このタイプの宿便の緑色の濃さは、含まれている腸内細菌の死骸の量にもよるので、濃い色から薄い色まで個人差があります。

便秘がないと明るめの色の宿便

日頃からお通じがある場合は、腸内に便が留まる時間や量が少ないので、腸内環境は善玉菌が悪玉菌より優勢な弱酸性の状態が保たれます。そのため、宿便も明るい黄土色や茶色など、健康な便の色に近くなります。

宿便が溜まりやすいのはどんな人?

腸内環境が悪い人は宿便が溜まりやすい

腸内環境が整い日頃からお通じがある人は、宿便も溜まりにくくなります。腸内環境が整っているとき、腸内の善玉菌と悪玉菌のバランスは善玉菌が優勢になっています。しかし、そのバランスが崩れ悪玉菌の方が優勢になってしまうと腸内環境も悪くなってしまうのです。

善玉菌は腸のぜん動運動を促し、悪玉菌が増えるのを抑えてくれます。しかし、悪玉菌は身体に有害な物質や発がん性物質を生成し、便の匂いを強くしてしまうのです。

腸内環境を良くすると宿便が溜まりにくくなる

宿便を溜まりにくくするためには、腸内環境を改善しお通じが日頃からある状態にしていくことが大切です。腸内環境は日頃の食生活や生活習慣、ストレスなどによって大きく変化します。

腸内環境を知るには便の状態をチェックしよう

腸内環境の善玉菌が優勢の良好な状態なのか、悪玉菌が優勢の良くない状態なのかを知るためには、便の状態を細かくチェックしてみるのがおすすめです。

  • 頻度:毎日、排便出来ている事が望ましいが、実際にはどのぐらいの頻度で排便できているか。
  • 量:一度の排便で、大量の便を排出できているか。
  • 色:善玉菌が多い時の便の色は黄色がかった茶色になりますが、悪玉菌が多いと便の色は濃くなっていきます。
  • 臭い:臭いはどの程度臭いか。善玉菌が多い時は、臭いはしてもあまりきつい臭いにはなりません。
  • 出方:トイレに座ったら、無理に押し出そうとしなくてもスルッと出せるかどうか。
  • 1日の排泄量:バナナ2〜3本程度かどうか。
  • 固さ:練り歯磨き程度の柔らかさからバナナ程度の固さぐらいになっているかどうか。

これらをチェックする事で、腸内環境が今どのような状態になっているのか、大体分かので、排便の度にチェックしてみましょう。

腸内環境を整える方法とは?

日頃の生活習慣を見直そう

腸内環境には、日々の食事内容や運動量、ストレスなどが大きく関係しています。整腸作用や便通を整えてくれる効果が期待できる食物繊維が豊富に含まれている食材を積極的に食べるだけでなく、栄養バランスの良い食生活を心がけ、規則正しい生活をするようにしましょう。また、充分な睡眠と適度な運動もとても大切です。睡眠不足や運動不足は体力が落ちるだけでなく、ストレスも溜まりやすくなります。

食物繊維を効率よく摂取するには?

日本人の成人女性の場合、1日の食物繊維の摂取目安は17〜18g以上、成人男性の場合は20g以上となっています。食物繊維は、野菜類だけでなく、豆類や果物類などさまざまな食材に含まれています。

しかし、仕事やプライベートで忙しい毎日の中で、摂取目安量分の食物繊維を毎日食事だけで摂るのは簡単ではありません。食事だけでは補えない食物繊維は、食物繊維を豊富に含んでいる青汁を毎日飲むことで手軽に摂取できるようになります。

食物繊維が豊富な食材でできている青汁

青汁に使われている主な食材は、ケールや大麦若葉、明日葉などになります。特にケールには100gあたり約30g、大葉若葉には100gあたり約40gもの食物繊維が含まれています。そのため、青汁なら食材を買ってきて調理する手間がかからず、飲むだけで1日分の食物繊維を摂取する事ができるのです。

食物繊維が腸内環境によいのはなぜ?

食物繊維には、水に溶けない不溶性食物繊維と水に溶ける水溶性食物繊維の2種類があります。不溶性食物繊維は腸に刺激を与え、排便に必要なぜん動運動を促してくれます。悪玉菌が優勢になってしまった腸内では、このぜん動運動も鈍くなってしまい排便がしにくくなってしまうのです。

そして、水溶性食物繊維は、水に溶けるとドロドロとしたゲル状になります。そして、腸内をゆっくりと時間をかけて移動していくため、通常より満腹感を長く感じることができ、食べ過ぎを防ぐ効果も期待出来るのです。

青汁を飲み始めると、それまで滞っていた腸のぜん動運動が活発に動き出し、最初のうちはお腹がゴロゴロしたり溜まっていた便を身体の外へ排出しようとするので、排便の量が増えたり、臭いがきつくなったりする場合があります。

これは、腸内環境が青汁によって整い始めたサインでもあるので、そのまま飲み続けていくのがおすすめです。溜まっていた便が排出されて腸内環境が整ってくれば、便の量や臭いも少なくなっていきます。

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